特集!【第171回 芥川賞・直木賞】受賞作発表

2024/07/17

芥川賞・直木賞 特集





第171回 芥川賞・直木賞の受賞作が2024年7月17日(水)に発表されました。
芥川賞は『サンショウウオの四十九日』『バリ山行』直木賞は『ツミデミック』が受賞しました。

また、読書メーターは受賞作の予想投票チャレンジを実施した結果、
芥川賞の予想投票は『サンショウウオの四十九日』が1位、『転の声』が2位
直木賞の予想投票は『地雷グリコ』が1位、『あいにくあんたのためじゃない』が2位でした。

参加いただいた皆さまありがとうございました。

あらすじと合わせて予想投票で集まったコメントを紹介します。
チェックしてみてください!

【目次】
サンショウウオの四十九日

サンショウウオの四十九日

朝比奈 秋

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【あらすじ】
周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのか――三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。

【投票予想した方からのコメント】
  • 朝比奈秋先生が今まで受賞していないのが不思議なくらいです。医師としての視点と、人の思いを描く繊細な描写がとても好きです。今作も新潮で読みましたが結合型双生児のそれぞれの思いや死へ生と死への思いの描かれ方がとても好きです。ぜひ受賞して欲しいと期待を込めて予想します(あおいさん)
  • この世に生を受け死んでいくということの固定観念が覆された新しい考え方をストーリーにした内容だから。(カイノスケさん)

【受賞作】第171回 芥川賞『バリ山行』

バリ山行

バリ山行

松永K三蔵

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【あらすじ】
古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。 会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。

【投票予想した方からのコメント】
  • 面白かったので。そして終わり方も良かった。受賞したら『バリ』が流行ってしまいそうだけど、会社生活や生き方など考えるいい小説でした。(夏しい子さん)
  • 圧倒的に物語が面白いです、そして自分の好きなものに切実であっていいんだな、と感じました。(るるさん)

【受賞作】第171回 直木賞『ツミデミック』


ツミデミック

ツミデミック

一穂ミチ

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【あらすじ】
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗ったが――「違う羽の鳥」 失業中で家に籠もりがちな恭一。ある日小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人にもらったというそれをたばこ代に使ってしまった恭一だが――「特別縁故者」 鮮烈なる“犯罪”小説全6話

【投票予想した方からのコメント】
  • コロナで変わらざるを得なかった人々を描き、まさに『今』を切り取った作品だと思いました。それでいて描かれている感情にはとても見覚えがあって、刺さってくるところが一穂さんだな、と思いました。(愛玉子さん)
  • 一穂さんの作品の読者を引き込む吸引力は他を圧倒していると思います(tsubakiさん)

第171回 芥川賞候補作『転の声』

転の声

転の声

尾崎 世界観

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【あらすじ】
主人公の以内右手は、ロックバンド「GiCCHO」のボーカリストだ。着実に実績をつみあげてきて、ようやくテレビの人気生放送音楽番組に初出演を果たしたばかり。しかし、以内は焦っていた。あるときから思うように声が出なくなり、自分の書いた曲なのにうまく歌いこなせない。この状態で今後、バンドをどうやってプレミアムな存在に押し上げていったらいいのだろうか……。 そんなとき、カリスマ転売ヤー・エセケンの甘い言葉が以内の耳をくすぐる。「地力のあるアーティストこそ、転売を通してしっかりとプレミアを感じるべきです。定価にプレミアが付く。これはただの変化じゃない。進化だ。【展売】だ」 自分のチケットにプレミアが付くたび、密かに湧き上がる喜び。やがて、以内の後ろ暗い欲望は溢れ出し、どこまでも暴走していく…… 果たして、以内とバンドの行きつく先は? 著者にしか書けない、虚実皮膜のバンド小説にしてエゴサ文学の到達点。

【投票予想した方からのコメント】
  • 尾崎世界観さんの世界観が好きなので、応援します。(はこちゃんさん)
  • 音楽業界のキラキラした表側だけではなく、裏側のアーティストの苦悩に満ちた本音、生き残る為には綺麗事ばかり言ってられない、切実さがひしひしと感じられたから。(しん∞SHI−Nさん)

第171回 芥川賞候補作『海岸通り』

海岸通り

海岸通り

坂崎 かおる

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【あらすじ】
海辺の老人ホーム「雲母園」で派遣の清掃員として働くわたし、クズミ。 ウガンダから来た同僚マリアさん。 サボりぐせのある元同僚の神崎さん。 ニセモノのバス停で来ないバスを毎日待っている入居者のサトウさん。 さまざまな人物が、正しさとまちがい、本物とニセモノの境をこえて踊る、静かな物語。

【投票予想した方からのコメント】
  • いままでの価値観の破壊。そして新しい価値観への変貌。その快感を読むことで味わえる。(バーベナさん)
  • 時代性がリアルで、現代を生きる私たちが自分ごととして考えるべきテーマだと思う(羽雪*hane**さん)

第171回 芥川賞候補作『いなくなくならなくならないで』

いなくなくならなくならないで

いなくなくならなくならないで

向坂くじら

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【あらすじ】
死んだはずの親友・朝日からかかってきた一本の電話。時子はずっと会いたかった彼女からの連絡に喜ぶが、「住所ない」と話す朝日が家に住み着き――。デビュー作にして第171回芥川賞候補作。

【投票予想した方からのコメント】
  • タイトルの時点でもうとても気になる。(ねむねむあくび♪ さん)
  • 詩人として言葉の一つひとつがとても大切に紡がれているから。(こういちさん)

第171回 直木賞候補作『地雷グリコ』

地雷グリコ

地雷グリコ

青崎 有吾

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【あらすじ】
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。 平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。

【投票予想した方からのコメント】
  • 今まで読んだことのない構成。頭で考え、問題を解きながら物語が進んでいく。特徴ある登場人物も魅力的。(よんよんさん)
  • 発想力の勝利。本気で勝ちにいく真兎がすごい!夢中になる面白さ。(ゆっきさん)

第171回 直木賞候補作『令和元年の人生ゲーム』

令和元年の人生ゲーム

令和元年の人生ゲーム

麻布競馬場

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【あらすじ】
慶應の意識高いビジコンサークルで、 働き方改革中のキラキラメガベンチャーで、 「正義」に満ちたZ世代シェアハウスで、 クラフトビールが売りのコミュニティ型銭湯で…… ”意識の高い”若者たちのなかにいて、ひとり「何もしない」沼田くん。 彼はなぜ、22歳にして窓際族を決め込んでいるのか?

【投票予想した方からのコメント】
  • 新しい世代の等身大の呟きと情動が、何も奇を衒う事なく、まざまざと物語に落とし込んだ著者なので、新しい世代の文学の描き方と可能性に期待したいと思って、直木賞に推しました。(しん∞SHI−Nさん)
  • 東京の若者にはびこる独特な価値観への鮮やかな風刺が一つの時代を切り取ったという意味で後世にも読まれる意義がある(zooeyさん)

第171回 直木賞候補作『われは熊楠』

われは熊楠

われは熊楠

岩井 圭也

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【あらすじ】
慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。 人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。 希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。 世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。 野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!

【投票予想した方からのコメント】
  • 知の巨人・熊楠を奇をてらわず「人間・熊楠」としてどっしり書いた大傑作。熊楠の評伝としても、家族を描いたエンタメ小説としても面白い。直木賞にふさわしい作品!(夢乃まろんさん)
  • 他作品に比べ、一歩引いた印象が逆に目立った特徴として際立つ。(nightowlさん)

第171回 直木賞候補作『あいにくあんたのためじゃない』

あいにくあんたのためじゃない

あいにくあんたのためじゃない

柚木 麻子

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【あらすじ】
過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇。

【投票予想した方からのコメント】
  • 長年のキャリアで安定したグイグイ読ませる文章力で今回の短編集は圧倒的なパワーを観じました(おにちょすさん)
  • 主人公がリアリティをもって描かれている。良い悪いの問題ではなく、この人を応援したいと思わせる魅力がある。(スゥチーンさん)


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