特集!【第172回 芥川賞・直木賞】受賞作発表

2025/01/15

芥川賞・直木賞



第172回 芥川賞・直木賞の受賞作が2025年1月15日(水)に発表されました。
芥川賞は『DTOPIA』『ゲーテはすべてを言った』、直木賞は『藍を継ぐ海』が受賞しました。

また、読書メーターは受賞作の予想投票を実施した結果、
芥川賞の予想投票は『二十四五』が1位、『字滑り』が2位
直木賞の予想投票は『藍を継ぐ海』が1位、『虚の伽藍』が2位でした。

参加いただいた皆さまありがとうございました。

あらすじと合わせて予想投票で集まったコメントを紹介します。
チェックしてみてください!


【目次】

【受賞作】第172回 芥川賞『DTOPIA』

DTOPIA

DTOPIA

安堂 ホセ

感想・レビューを見る

【あらすじ】
恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡ってMr.LA、Mr.ロンドン等十人の男たちが争う──時代を象徴する圧倒的傑作、誕生!

【投票予想した方からのコメント】
  • 現代の社会問題を反映させ重くて深いけれどもぐいぐい読まされてしまう筆致がすごい(マカロニ マカロンさん)
  • 流行りのテーマかと思いきや思わぬ終着点に愕然!何度も読みたくなる(みおさん)

【受賞作】第172回 芥川賞『ゲーテはすべてを言った』

ゲーテはすべてを言った

ゲーテはすべてを言った

鈴木 結生

感想・レビューを見る

【あらすじ】
高明なゲーテ学者、博把統一は、一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出会う。 ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求めて、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが……。 ひとつの言葉を巡る統一の旅は、創作とは何か、学問とは何か、という深遠な問いを投げかけながら、読者を思いがけない明るみへ誘う。

【投票予想した方からのコメント】
  • シンプルで面白く叙情豊かでした。(ihatov1001さん)
  • 物語の運び方、言葉の表現、何をとっても完璧で素晴らしかったです!(るるさん)

【受賞作】第172回 直木賞『藍を継ぐ海』


藍を継ぐ海

藍を継ぐ海

伊与原 新

感想・レビューを見る

【あらすじ】
数百年先に帰ってくるかもしれない。懐かしい、この浜辺に―ー。 徳島の海辺の小さな町で、なんとかウミガメの卵を孵化させ、自分ひとりの力で育てようとする、祖父と二人暮らしの中学生の女の子。年老いた父親のために隕石を拾った場所を偽ろうとする北海道の身重の女性。山口の見島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男。長崎の空き家で、膨大な量の謎の岩石やガラス製品を発見した若手公務員。都会から逃れ移住した奈良の山奥で、ニホンオオカミに「出会った」ウェブデザイナーの女性ーー。 人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。

【投票予想した方からのコメント】
  • 豊富な科学知識。繊細な人間模様。そして唯一無二の世界観。伊与原新さんの小説を読む度に、地球に生まれて良かったー!と思うのです。(えんちゃん)
  • 多彩なテーマ、知らない世界を知る読書の喜びを感じた。(margaritaさん)

第172回 芥川賞候補作『ダンス』

ダンス

ダンス

竹中 優子

感想・レビューを見る

【あらすじ】
今日こそ彼らに往復ビンタ。もやもやはびこる職場と私を描く芥川賞候補作。同じ部署の三人が近頃欠勤を繰り返し、その分仕事が増える私はイライラが頂点に。ある日、三人のうちの一人、先輩女性の下村さんから、彼らの三角関係を知らされる。恋人を取られたのに弱っているのか開き直っているのか分からない下村さんの気ままな「ダンス」に翻弄される私は、いったいどうすれば――

【投票予想した方からのコメント】
  • 文章のうまさ。新人とは思えないくらい巧みだった。(あんこさん)
  • 現代社会における疎外感や人間関係の機微を丁寧に描いていると感じた。(ひでぼうさん)

第172回 芥川賞候補作『字滑り』

字滑り

【あらすじ】
著者紹介( 〈詩〉をテキストのフォルムとしてだけではなく〈行為〉としてとらえ、水等の自然物やデジタル等を詩的メディアとして使用し、「詩を行為する」表現を国内外で展開(「Dialogue対話-Voix聲」:仏ポンピドゥ・センター企画「Jonas Mekas Poetry Day」2024 等)。19年、詩集『不在都市』で第30回歴程新鋭賞受賞。22年秋、米国国務省教育文化局の助成でインターナショナル・ライティング・プログラム(IWP/アイオワ大学)に参加。24年、初の中編小説「字滑り」を「文學界」に発表。

【投票予想した方からのコメント】
  • 純文学なのにSFでホラーそして幻想的と、たくさんの魅力を見せてくれる物語だった。(イカまりこさん)
  • 社会性と文学性、哲学性が高く、それを詩的な視線と文体で融合させる、稀有な作品(Yu Jさん)

第172回 芥川賞候補作『二十四五』

二十四五

二十四五

乗代 雄介

感想・レビューを見る

【あらすじ】
大事な人が、かつてここにいた 確かなしるしを何度でも辿る── 実家を出て二年、作家になった二十四五の私は弟の結婚式に参列するため、仙台に向かっている。 五年前に亡くなった叔母の痕跡を求めて、往復する時間の先にあるものとは。 喪失を抱えたまま生きていく、祈りの記録。

【投票予想した方からのコメント】
  • 終始淡々とした表現なのに、映像としてイメージが広がってゆく感じが好き。(れっつさん)
  • 喪失を抱えたまま生きていく祈りの記録の中で巧妙な描写に惹かれました。(カイノスケさん)

第172回 直木賞候補作『よむよむかたる』

よむよむかたる

よむよむかたる

朝倉 かすみ

感想・レビューを見る

【あらすじ】
小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」には今日も老人たちが集まる。 月に一度の読書会〈坂の途中で本を読む会〉は今年で20年目を迎える。 最年長92歳、最年少78歳、平均年齢85歳の超高齢読書サークル。 それぞれに人の話を聞かないから予定は決まらないし、連絡は一度だけで伝わることもない。 持病の一つや二つは当たり前で、毎月集まれていることが奇跡的でもある。 なぜ老人たちは読書会を目指すのか。読みが語りを生み、語りが人生を照らし出す。 幸福な時間が溢れだす、傑作読書会小説。

【投票予想した方からのコメント】
  • 人生100年時代と言っても若いままでいられる訳ではない、しかし年寄りは強い。そして、そう在りたいと思わせてくれる一冊だと思った。(なーさん)
  • 徹夜で一気読みしてしまうぐらい面白かった。(アゲアゲハさん)

第172回 直木賞候補作『飽くなき地景』

飽くなき地景

飽くなき地景

荻堂 顕

感想・レビューを見る

【あらすじ】
土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。 祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。 やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。

【投票予想した方からのコメント】
  • 骨太で一気に読ませる力のある作品でした。(ふうさん)
  • 人間らしさが滲み出ていた作品(みーさん)

第172回 直木賞候補作『秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚』

秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚

秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚

木下昌輝

感想・レビューを見る

【あらすじ】
江戸時代、こんなにややこしい殿様は他にいなかったかもしれない。 小藩から25万石の大藩に養子入りし、苛烈な藩政改革に取り組んだ。 誰にも負けぬ弁舌と知識、厳しい倹約令と公共投資の両立、当時の身分制度を破壊する新法、そして、どこにもない市を生み出そうとしたが…… 蜂須賀重喜という男が愚者なのか賢者なのか、勝者なのか敗者なのか。

【投票予想した方からのコメント】
  • 大幅な改革を実行しようとする過程が小説になることを嬉しく思います。(pen21さん)
  • 骨太の時代小説として読み応えが凄かった。(ひでぼうさん)

第172回 直木賞候補作『虚の伽藍』

虚の伽藍

虚の伽藍

月村 了衛

感想・レビューを見る

【あらすじ】
より多くの金をつかんだ者が京都を制する――最後に嗤うのは仏か鬼か。 日本仏教の最大宗派・燈念寺派。弱者の救済を志す若き僧侶・志方凌玄がバブル期の京都で目にしたのは、暴力団、フィクサー、財界重鎮に市役所職員……古都の金脈に群がる魑魅魍魎だった。腐敗した燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に身を投じる凌玄だが、金にまみれた求道の果てに待っていたのは――。人間の核心に迫る圧巻の社会派巨編。

【投票予想した方からのコメント】
  • 欲にまみれて魑魅魍魎がうごめく人間の裏側を、これでもかというくらいに描かれています。月村節が炸裂しています。(さーくる・けーさん)
  • 任侠×宗教の新ジャンル。月村了衛さんにしか描けない圧巻のドラマです。(iceさん)

このブログを検索